肥満が猫の健康に及ぼす影響は深刻であり、適切なダイエットは必要不可欠です。この記事では、猫の肥満の確認方法から、効果的なダイエットのための具体的な方法までを詳しく解説します。
猫の体型を健康的に保つための食事管理や運動、さらには日常生活での注意点など、飼い主が知っておくべき重要な情報を一挙にご紹介します。猫の健康と幸せを守るために、今すぐ適切な知識を身につけましょう。
猫にダイエット必要?
肥満は猫にとって多くの健康リスクをもたらす可能性があり、長期的に見て病気のリスクを増加させることが知られています。以下に、猫にダイエットが必要とされる理由をまとめています。
1. 健康リスクの軽減
肥満の猫は、糖尿病や心臓病だけではなく、関節痛や呼吸問題などのリスクが高まります。適切な体重管理を行うことで、これらのリスクを減らすことができます。
2. 活動の向上
適正体重を維持することで、猫はより活動的になります。肥満になると、猫の運動能力に影響を与え、日常の活動が困難になる可能性もあるのです。
3. 寿命の延長
適切な体重管理は、猫の健康を改善し、結果として寿命を延ばす効果も期待できます。肥満は様々な健康問題の原因となり、寿命を縮める可能性があるので注意が必要です。
4. 生活の質の向上
肥満は猫の生活の質を低下させる大きな原因となります。適切なダイエットにより肥満を防ぐことで、猫はより快適に過ごすことができ、日常生活を楽しむことが可能となります。
猫の食事の適切な量とは

・子猫(生後から1歳まで)
子猫は成長と発達が盛んなため、大人の猫よりもカロリーを多く必要とします。子猫は通常、1日に体重kg×約200kcal分の食事を必要とします。
・成猫(1歳から7歳まで)
成猫の場合、活動レベルに応じてカロリーを調整しますが、平均的な成猫は1日に体重kg×約80kcal分の食事を必要とします。
・高齢猫(7歳以上)
高齢になると代謝が遅くなるため、成猫時代よりも少ないカロリー数となり、1日に体重kg×約60kcal分の食事量が妥当です。ただし、個体によって健康状態が異なるため、獣医師と相談して適切な量を決めることが推奨されます。
猫がダイエットしなければならなくなる原因
・避妊または去勢手術による代謝の低下
避妊や去勢手術は、猫のホルモンバランスに影響を与え、その結果として代謝率が低下することがあります。これにより、同じ量の食事を与え続けても、体重が増加しやすくなるのです。手術後は、食事の量やカロリーを見直し、必要に応じて調整することが重要です。
・摂取カロリーよりも消費カロリーが少ない
猫の活動量が少ない場合、消費カロリーが摂取カロリーよりも少なくなりがちです。特に室内で生活する猫は運動不足になりやすく、これが肥満の原因となることがあります。定期的な遊びや活動を通じて、猫が十分な運動を行えるようにすることが肝心です。
・稀にある筋肉太りの場合はダイエットしなくてOK
一部、筋肉質で体重が重い猫もいますが、この場合の体重増加は肥満とは異なります。筋肉太りの猫は、体がしっかりとしており、脂肪の蓄積が少ない場合が多いです。このタイプの猫にはダイエットは通常必要ありません。しかし、体重管理は引き続き重要であり、獣医師と相談しながら健康を維持していくことが推奨されます。
猫の肥満を確認できる「BCS(ボディコンディションスコア)」
猫のサイズや体重は個体によってさまざまです。ペットショップや図鑑に載っている「平均的な体重」は、あくまで一般的な指標にすぎず、個々の猫にとっての理想的な体重は異なります。
猫の健康的な体型は、通常、成猫に達する約1歳の状態が基準とされています。この時点で体重が標準の20~30%を超えている場合、肥満と見なされることが多いです。
自宅で愛猫の体型を評価するには、BCS(ボディコンディションスコア)が有効です。このスコアリングシステムは、見た目や触診により猫の体脂肪の量を評価し、痩せているから肥満までの状態を五つの段階で分類します。
BCSが4以上になると、健康を考慮してダイエットが推奨されます。
BCS1

痩せすぎ
BCS2

やや痩せている
BCS3

理想体重
BCS4

やや肥満
BCS5

肥満
| スコア | BCS1 | BCS2 | BCS3 | BCS4 | BCS5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 判定 | 痩せ | やや痩せ | 理想体重 | やや肥満 | 肥満 |
| 見た目の特徴 | 骨(肋骨・背骨・腰骨)がはっきり見える。筋肉が少なく、体全体が骨ばって見える。 | 肋骨や背骨の形が少し見える。筋肉が少しついているが、全体的にスリム。 | 骨は見えないが、自然なくびれがありバランスの取れた体型。 | 胴体が丸みを帯び始める。くびれが目立たない。 | 体が全体的に丸く、首が短く見える。腹部が垂れ下がっている。 |
| 触ったときの特徴 | 肋骨や背骨が容易に触れる。皮下脂肪はほとんどない。 | 肋骨が簡単に触れる。脂肪は薄く感じる程度。 | 軽く触ると肋骨が感じられるが、厚い脂肪層はない。 | 肋骨は見れないが触ることはできる。 | 肋骨を触るのが難しい。厚い脂肪層で覆われている。 |
| 体型のポイント | 上から見ると腰が極端にくびれている。横から見るとお腹から腰にかけて吊り上がりが深い。 | くびれが明確で、腹部の引き締まりが強い。 | 上から見て適度なくびれ、横から見てお腹がわずかに引き締まっている。 | 横から見るとお腹のたるみが少し目立つ。 | くびれはほぼなく、上から見ると樽型体型。脇腹のひだが歩くと揺れる。 |
猫のダイエット計画の仕方
1ヶ月で何g痩せるのが妥当なのか
猫のダイエットにおいては、体重の1〜2%を月に減量するのが安全な範囲とされています。例えば体重5kgの猫であれば、1ヶ月に50〜100gの減量を目指すことが理想的です。このゆっくりとしたペースでの減量は、猫の健康を維持しながら効果的に体重管理を行うことを可能にします。
猫のダイエットに停滞期はあるのか
人間と同様に、猫のダイエットにも停滞期は存在します。特に、体重がある程度減少した後に、体重の減りが鈍化することがあります。これは体がエネルギー消費の効率を向上させるための自然な反応です。この期間は根気が必要となりますが、食事の管理と適度な運動を変わらず続けることが重要です。
急ぐダイエット計画は危険なので避ける
猫にとって急激な体重減少は、肝脂肪症などの深刻な健康問題を引き起こすリスクがあります。健康を損ねることなく体重を減らすためには、ダイエット計画は獣医師の監督のもと、慎重に行うべきです。栄養不足や代謝異常を避けるためにも、計画的にゆっくりと体重を減らすアプローチを取りましょう。
猫の具体的なダイエット方法

フードの量は少しずつ減らすのがベスト
急激な食事制限は猫の健康に悪影響を与える可能性があります。徐々にフードの量を減らし、猫の体が新しい食事量に適応できるようにすることを心がけてください。
フードは数回に分けて与えながら量を調整する
一日の食事を複数回に分けて与えることで、飢餓感を軽減し、過食を防ぐことができます。これにより、体重管理が容易になります。
猫用のダイエットフードを活用する
猫用のダイエットフードは、カロリーが低く栄養バランスが調整されているため、ダイエット中の猫に適しています。獣医師の推薦を受けて適切な商品を選びましょう。
おやつを与えることをやめる
余計なカロリーを摂取する主な原因の一つがおやつです。ダイエット中はおやつを与える量を減らすか、完全に停止することを推奨します。
猫が運動しやすい環境を整備する
キャットタワーなどの運動できる場所を確保し、運動用具やおもちゃを用意することで、猫が自然と動くように促します。猫が活動しやすい環境は、体重減少だけでなく健康維持やストレス解消にも効果が期待できます。
猫の運動量が増える遊びを行う
レーザーポインターや羽根つきのおもちゃを使った遊びは、猫に運動を促す効果的な方法です。これにより、楽しみながらカロリーを消費させることができます。
おすすめの猫のダイエットフード3選
健康一番 プライムケイズ 犬猫ダイエット
猫のその日の体調・体質・年齢・好み・旬などに合わせて、お肉・お魚・野菜といった様々な種類のバリエーションを楽しむことができ、新鮮で出来立てのご飯を与えることができます。保存料・香料・着色料なしの無添加、国産の食材のみを使用しているので安心です。
ロイヤルカナン 減量したい成猫用
減量したい成猫のために作られたフードで、最適に調整された栄養バランスによって、猫の健康的な体調管理をサポートしてくれます。33%脂肪オフの低脂肪設計となっており、90%以上の猫が8週間で減量に成功した実績を持っています(ロイヤルカナン調べ)。
ナチュラルバランス ファットキャッツ ダイエット
低カロリーのフードですが、タンパク質と繊維質のバランスが取れた配合がされているため、筋肉を維持しながら猫のダイエットのサポートをすることが期待できます。カロリーの摂取量を抑えても栄養の偏りがないように作られており、嗜好性も高いので食いつきの良さが特徴です。
肥満気味の猫にダイエットは重要!健康管理は飼い主の役目
肥満は猫の健康に多大な影響を及ぼします。ダイエットを通じて愛猫の健康を守る責任は飼い主にあります。適切な食事管理と定期的な運動は、猫が健康的な体重を維持するために不可欠です。飼い主としては、愛猫が長く健康に生活できるよう、日々のケアに注意を払い、必要に応じて獣医師と協力しながら猫のダイエットを管理しましょう。


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