暑い夏、少しでも涼しく快適に過ごしてもらいたい――
そんな飼い主の想いから注目されているのが**「猫のサマーカット」**です。犬では一般的になっているサマーカットですが、猫にも必要なのか? 体調や皮膚に影響はないのか? 気になるポイントがたくさんありますよね。
この記事では、猫のサマーカットのメリットやデメリット、やり方、注意点、そしておすすめのカットスタイルまで、初心者にもわかりやすく解説します。
そもそも猫にサマーカットは必要?
猫は自分で体温調節ができる動物
猫の被毛には断熱効果があり、夏は暑さ、冬は寒さから身を守る機能を持っています。基本的にはサマーカットをしなくても問題ありませんが、以下のようなケースではカットが有効なこともあります。
サマーカットが向いている猫の特徴
- 長毛種(ペルシャ、メインクーン、ノルウェージャンなど)
- 毛玉ができやすい・被毛のケアが難しい
- 高齢猫で自分でグルーミングできない
- 肥満気味で暑さに弱い
- 皮膚病やノミ対策として清潔を保ちたい
猫にとって被毛は大切なバリア機能でもあるため、「暑そうだから切る」のではなく、猫の性格・体調・生活環境を考えて判断することが大切です。
猫のサマーカット、5つのメリット
1. 通気性が良くなり、体温管理がしやすい
毛量の多い長毛種は特に、蒸れやすく熱がこもりがち。カットすることで体温を効率的に放出できるようになります。
2. 毛玉の発生を防げる
毛が短くなることで、毛玉やもつれを予防でき、皮膚炎や被毛の抜け落ちによるストレスも軽減。
3. グルーミングしやすくなる
高齢猫や太り気味の猫にとっては、自分で毛づくろいがしやすくなるのは大きなメリットです。
4. ノミ・ダニの早期発見・予防
毛が短くなることで、皮膚トラブルや寄生虫の発見がしやすくなり、清潔も保ちやすくなります。
5. 抜け毛の量が減る
夏場に気になる抜け毛の散乱を防ぎ、部屋の掃除がラクになるのもサマーカットの魅力。
※個体にもよる
猫のサマーカット、3つの注意点・デメリット
1. ストレスになる可能性がある
猫は基本的に環境や変化に敏感な動物です。毛を刈られること自体がストレスになる場合もあるため、無理に行うのはNGです。
2. 皮膚が紫外線に弱くなる
毛を短くしすぎると、紫外線が直接当たり日焼けや皮膚炎を起こすこともあります。屋外に出る猫は特に注意。
3. 体温調節が逆に難しくなることも
毛には冷気を遮断する役割もあります。冷房の効いた部屋で寒さを感じることもあるため、カット後は温度管理に気を配りましょう。
猫のサマーカットの方法と手順
方法は主に2つあります。
① トリマーや動物病院でプロに依頼する
もっとも安全で確実な方法。鎮静剤を使う場合もあり、暴れる猫でも対応可能。デザインカットにも対応。
費用の目安:5,000円〜10,000円前後(猫種・地域による)
② 自宅でカットする(経験者向き)
猫が慣れていて、飼い主も慣れている場合は自宅でのカットも可能。専用バリカンやハサミを使用して慎重に行う必要があります。
準備するもの:
- ペット用バリカン(静音タイプ推奨)
- ブラシ・コーム
- タオルや洗面台マット(滑り止め)
- 猫の好きなおやつ
自宅でサマーカットする際の注意点
- 一人で無理にやらず、二人以上で対応(猫を押さえる人とカットする人)
- 顔まわり、しっぽ、足の裏などの敏感部位は避ける
- 毛を刈りすぎない(5〜10mm(※ネコノミクス調べ)程度が目安 )
- カット後は保湿スプレーやブラッシングでアフターケアを
人気のカットスタイル例
● ライオンカット
胴体は短く、顔・たてがみ・しっぽの先を残すカット。かわいさと涼しさのバランスが人気。
● パンツカット(ズボンカット)
お尻周りだけ短くして、排泄時の汚れを防ぐスタイル。部分カットにおすすめ。
● 全身ショートカット
全体を5〜10mm程度に短くする最もシンプルな方法。暑がりの猫向き。
サマーカットが向いている猫種
- ペルシャ
- ヒマラヤン
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ラグドール
- メインクーン
- ソマリ
- ブリティッシュロングヘア
短毛種(アメリカンショートヘア、マンチカンなど)は基本的に不要です。ただし、個体差によってはサマーカットが有効な場合も。
サマーカット後のケア
- 室温は25〜27℃前後をキープ
- 直射日光の当たらない場所で休ませる
- カット後にシャンプーや保湿ケアで皮膚トラブル予防
- 紫外線が気になる場合はUVカットのペット服を検討
よくある質問(FAQ)
Q. サマーカットはどれくらいの頻度で行う?
A. 年1〜2回(主に初夏〜盛夏)で十分です。(※個体の状況や毛種による)被毛の伸び具合に合わせて調整しましょう。
Q. サマーカットは子猫にもしていいの?
A. 生後6か月未満の子猫は皮膚が非常にデリケートなので注意すべきです。プロへの相談がおすすめ。
Q. サマーカット後に寒がることはある?
A. あります。特にクーラーの効いた部屋では冷えすぎないよう配慮が必要です。ブランケットなどを用意しましょう。
まとめ|猫のサマーカットは“やさしい気遣い”で
猫のサマーカットは、すべての猫に必要というわけではありません。ですが、長毛種や暑さに弱い猫にとっては、熱中症・皮膚トラブルの予防や快適な生活のために有効な選択肢です。
大切なのは、
✔ 猫の体質や性格に合った対応をすること
✔ プロの手を借りるか、自宅で行うかを慎重に選ぶこと
✔ アフターケアを丁寧に行うこと
猫が夏を元気に乗り越えるために、飼い主としてできることのひとつが“サマーカット”です。「涼しさ」と「安心」のバランスを意識しながら、愛猫にぴったりのケアを選んであげてください。


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